乳酸アシドーシスを起こしやすい状態
- 2014/03/15
- 10:53
ビグアナイド系薬剤は主に肝における乳酸からの糖新生を抑制することにより血糖を下げるため、
ビグアナイド系薬の投与によって乳酸が増加します。
通常はそれに応じて乳酸の代謝が増加し、乳酸値のバランスは保たれますが、
乳酸の量が肝の代謝能を超えた場合や、肝での乳酸の代謝能が低下している場合には
このバランスが崩れ、乳酸アシドーシスが発現するおそれがあります。
乳酸アシドーシスは、様々な原因によって血中に乳酸が蓄積する結果、
血液が著しく酸性に傾いた状態です。初期症状は消化器症状等の非特異的な症状です。
乳酸アシドーシスの発症は急激で、症状が進行して数時間放置すると昏睡状態に陥ります。
死亡率は約50%とされており、予後不良の非常に危険な疾患です。
通常乳酸は肝臓で代謝されるため、乳酸値のバランスは保たれていると考えられます。
しかし、以下の状態では乳酸値のバランスが崩れ、乳酸アシドーシスが発現するおそれがあります。
1.乳酸産生の増加
解糖系の最終産物であるピルビン酸は、酸素が十分にある状態ではミトコンドリアでATP産生に利用されます。しかし、循環不全等十分に酸素が供給されない状態では、ピルビン酸は乳酸に転換されます。アルコールは分解の過程で NAD+を消費し、NADH/NAD+比を上昇させるため、ピルビン酸から乳酸への転換を亢進させます。
2.乳酸代謝の増加
産生された乳酸の大部分は肝臓に取り込まれ代謝されます。肝機能障害により乳酸代謝が低下している場合には乳酸が蓄積します。
3.メトホルミンの蓄積
メトホルミンは未変化体のまま腎臓から排泄されるため、腎機能障害患者(特に透析患者)ではメトホルミンが体内に蓄積し、作用が増強する可能性があります。
つまーり、どうゆうことだってば。
酸素不足な状態(貧血、肺機能障害など)、アルコール摂りすぎ、肝機能障害、腎機能障害とか
持ってる人はメトホルミンの効果(肝臓で糖新生により糖を生み出すのを防ぐ作用)が強く
出過ぎてしまうので乳酸アシドーシスになりやすいってことか。
【文献】
1) 藤田 延也:糖尿病学 基礎と臨床,第1版:西村書店,東京,p.1004,2007
2) 塚本 和久:別冊 医学のあゆみ 糖尿病・代謝症候群 state of arts 2004-2006,:医師薬出版,東京,p.277,2004
3) 平井 完史ほか:日本臨床,60(Suppl.4):602,2002
ビグアナイド系薬の投与によって乳酸が増加します。
通常はそれに応じて乳酸の代謝が増加し、乳酸値のバランスは保たれますが、
乳酸の量が肝の代謝能を超えた場合や、肝での乳酸の代謝能が低下している場合には
このバランスが崩れ、乳酸アシドーシスが発現するおそれがあります。
乳酸アシドーシスは、様々な原因によって血中に乳酸が蓄積する結果、
血液が著しく酸性に傾いた状態です。初期症状は消化器症状等の非特異的な症状です。
乳酸アシドーシスの発症は急激で、症状が進行して数時間放置すると昏睡状態に陥ります。
死亡率は約50%とされており、予後不良の非常に危険な疾患です。
通常乳酸は肝臓で代謝されるため、乳酸値のバランスは保たれていると考えられます。
しかし、以下の状態では乳酸値のバランスが崩れ、乳酸アシドーシスが発現するおそれがあります。
1.乳酸産生の増加
解糖系の最終産物であるピルビン酸は、酸素が十分にある状態ではミトコンドリアでATP産生に利用されます。しかし、循環不全等十分に酸素が供給されない状態では、ピルビン酸は乳酸に転換されます。アルコールは分解の過程で NAD+を消費し、NADH/NAD+比を上昇させるため、ピルビン酸から乳酸への転換を亢進させます。
2.乳酸代謝の増加
産生された乳酸の大部分は肝臓に取り込まれ代謝されます。肝機能障害により乳酸代謝が低下している場合には乳酸が蓄積します。
3.メトホルミンの蓄積
メトホルミンは未変化体のまま腎臓から排泄されるため、腎機能障害患者(特に透析患者)ではメトホルミンが体内に蓄積し、作用が増強する可能性があります。
つまーり、どうゆうことだってば。
酸素不足な状態(貧血、肺機能障害など)、アルコール摂りすぎ、肝機能障害、腎機能障害とか
持ってる人はメトホルミンの効果(肝臓で糖新生により糖を生み出すのを防ぐ作用)が強く
出過ぎてしまうので乳酸アシドーシスになりやすいってことか。
【文献】
1) 藤田 延也:糖尿病学 基礎と臨床,第1版:西村書店,東京,p.1004,2007
2) 塚本 和久:別冊 医学のあゆみ 糖尿病・代謝症候群 state of arts 2004-2006,:医師薬出版,東京,p.277,2004
3) 平井 完史ほか:日本臨床,60(Suppl.4):602,2002
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