PTH-intactとwhole-PTH - ヒーローウォーズ攻略投資透析情報局

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    PTH-intactとwhole-PTH

    PTHは84個のアミノ酸が連結したものであり、1-84PTH と表記される。
    血中にはさまざまなPTHの断片(フラグメント)が存在し、
    腎不全となると、7-84PTH が蓄積し、1-84PTH と拮抗する作用、
    骨吸収と骨形成を抑制する作用がある。
    Intact PTHの管理目標値は180pg/mlだ。
    Whole-PTHは180×0.6=およそ108pg/mlとなる。

    Intact PTH の測定では1-84PTH も7-84PTH も測定している。

    Whole PTH の測定では1-84PTH だけを測定することができる。
    Intact PTH とWhole PTH には強い相関があり、Intact PTH の6割の値がWhole PTH の値となるため
    Intact に0.6を乗じればWholeの値となり、どちらで評価しても差はないようだが
    Whole PTH/Intact PTH 比は0.3 ~0.8とばらつきがあり骨のPTH抵抗性も人それぞれ。

    そのためIntact PTHが高い場合でも1-84PTHはそれほど上昇していないことがあり
    PTH抑制治療前でも高回転骨ではなく低回転骨の状態であることもある。

    このような状態でIntact PTHが上昇しているからとビタミンD治療が行われると
    容易に高カルシウム血症、血管石灰化をきたす。

    骨はカルシウムの貯蔵器官であり調節器官であるが、
    低回転骨ではその調節機能が落ちているからだ。

    ビタミンDは副甲状腺に作用するだけではなく、
    直接骨に作用し骨形成を抑制する作用があるため
    Intact PTH は低下しないまま、無形成骨へと転じてしまう可能性もある。
    透析患者のPTH管理目標値が健常者とくらべて高いのは7-84PTH の蓄積も要因のようだ。
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