4540ツムラ、育薬は着実に浸透、生薬価格の高騰が利益を圧迫
- 2014/06/22
- 17:10
先日、割と安いので買ってみたツムラであるが、上値は重そうな感じだ。
一応、数千円のプラスにはなっているが動きが悪い。
売上そのものは好調だが甘草といった生薬の原価価格高騰による原価率悪化が厳しい。
製薬企業は研究開発費用はかさむものの、一旦承認されてしまえば
原価率が低く、利益率が高いのが特長であるが生薬の場合、中国などに
生えている植物が欠かせない。石油から合成できる医薬品とは異なる。
以下、アナリストレポート。
医療用漢方製剤は東日本大震災の影響で一時的な低迷を余儀なくされたが、
育薬が着実に浸透、成長トレンドを回復したとの見方に変更はない。
しかし、原料生薬価格が上昇、17/3期までは原価率の悪化が続くとみてQBR予想を見直した。
QBR予想の15/3期の連結営業利益は前期比20%減の180億円。薬価引き下げと原料生薬価格の上昇で減益を予想する。続く16/3期と17/3期についてのQBR予想の連結営業利益は、16/3期が前期比8%増の194億円。17/3期は前期比5%減の184億円。16/3期は薬価引き下げの影響が一巡し増益を見込むが、17/3期は薬価引き下げもあり減益を予想する。
14/3期の連結業績は、売上高が前期比4%増の1101億円、営業利益は同3%減の225億円。医療用漢方製剤の売上高は同3%増の1027億円、全129処方中66処方が13/3期を上回るなど育薬処方を中心に堅調だが、生薬価格上昇による原価率の悪化が響いた。
5月30日に年初来安値となる2224円をつけるなど株価は軟調に推移している。QBRでは医療用漢方製剤は数量ベースでは安定した成長が続くと見ているが、今期は薬価引き下げや生薬価格上昇による原価率の悪化で減益を予想している。医療用漢方製剤の販売動向や為替変動如何では株価の調整が続く可能性がある。慎重な投資スタンスで臨みたい。
●薬価引き下げと生薬価格上昇で大幅減益へ ~15/3期
QBR予想の15/3期の連結業績は、売上高が前期比1%増の1112億円(会社計画は1114億円)、営業利益は同20%減の180億円(同182億円)。14年4月の薬価引き下げ(同社の改定率は約0%だが、消費増税対応分を考慮すると実質約3%の引き下げ)や原料生薬価格上昇の影響(後述)で大幅な減益を予想する。原価率は前期比3.8ポイント悪化の39.0%(会社計画は38.9%)を見込んだ。
医療用漢方製剤の売上高予想は同3%増の1058億円(会社計画は非開示)。引き続き育薬処方(「大建中湯」「六君子湯」「抑肝散」など)が全体をけん引、数量伸長率の前提は6%程度を想定。製品構成の変化による価格低下は0.2%程度を見込んだ(金額ベースは、数量伸長率から薬価引き下げと価格低下を考慮)。育薬とは西洋薬で治療に難渋していて漢方薬が効果を発揮しやすい領域に的を絞りEBM(科学的根拠に基づく医療)の確立を目指すというもの。
従前のQBR予想と比較すると、中期的な数量伸長率は5%程度で変更はない。震災の影響で一時的に停滞していた医療用漢方製剤は、医師面談や医局説明会・漢方医学セミナーの開催などMR(医薬情報担当者)活動の成果で成長トレンドを回復したとの見方を継続するが、生薬価格高騰の影響を織り込み利益予想を減額する。
一応、数千円のプラスにはなっているが動きが悪い。
売上そのものは好調だが甘草といった生薬の原価価格高騰による原価率悪化が厳しい。
製薬企業は研究開発費用はかさむものの、一旦承認されてしまえば
原価率が低く、利益率が高いのが特長であるが生薬の場合、中国などに
生えている植物が欠かせない。石油から合成できる医薬品とは異なる。
以下、アナリストレポート。
医療用漢方製剤は東日本大震災の影響で一時的な低迷を余儀なくされたが、
育薬が着実に浸透、成長トレンドを回復したとの見方に変更はない。
しかし、原料生薬価格が上昇、17/3期までは原価率の悪化が続くとみてQBR予想を見直した。
QBR予想の15/3期の連結営業利益は前期比20%減の180億円。薬価引き下げと原料生薬価格の上昇で減益を予想する。続く16/3期と17/3期についてのQBR予想の連結営業利益は、16/3期が前期比8%増の194億円。17/3期は前期比5%減の184億円。16/3期は薬価引き下げの影響が一巡し増益を見込むが、17/3期は薬価引き下げもあり減益を予想する。
14/3期の連結業績は、売上高が前期比4%増の1101億円、営業利益は同3%減の225億円。医療用漢方製剤の売上高は同3%増の1027億円、全129処方中66処方が13/3期を上回るなど育薬処方を中心に堅調だが、生薬価格上昇による原価率の悪化が響いた。
5月30日に年初来安値となる2224円をつけるなど株価は軟調に推移している。QBRでは医療用漢方製剤は数量ベースでは安定した成長が続くと見ているが、今期は薬価引き下げや生薬価格上昇による原価率の悪化で減益を予想している。医療用漢方製剤の販売動向や為替変動如何では株価の調整が続く可能性がある。慎重な投資スタンスで臨みたい。
●薬価引き下げと生薬価格上昇で大幅減益へ ~15/3期
QBR予想の15/3期の連結業績は、売上高が前期比1%増の1112億円(会社計画は1114億円)、営業利益は同20%減の180億円(同182億円)。14年4月の薬価引き下げ(同社の改定率は約0%だが、消費増税対応分を考慮すると実質約3%の引き下げ)や原料生薬価格上昇の影響(後述)で大幅な減益を予想する。原価率は前期比3.8ポイント悪化の39.0%(会社計画は38.9%)を見込んだ。
医療用漢方製剤の売上高予想は同3%増の1058億円(会社計画は非開示)。引き続き育薬処方(「大建中湯」「六君子湯」「抑肝散」など)が全体をけん引、数量伸長率の前提は6%程度を想定。製品構成の変化による価格低下は0.2%程度を見込んだ(金額ベースは、数量伸長率から薬価引き下げと価格低下を考慮)。育薬とは西洋薬で治療に難渋していて漢方薬が効果を発揮しやすい領域に的を絞りEBM(科学的根拠に基づく医療)の確立を目指すというもの。
従前のQBR予想と比較すると、中期的な数量伸長率は5%程度で変更はない。震災の影響で一時的に停滞していた医療用漢方製剤は、医師面談や医局説明会・漢方医学セミナーの開催などMR(医薬情報担当者)活動の成果で成長トレンドを回復したとの見方を継続するが、生薬価格高騰の影響を織り込み利益予想を減額する。
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