東海大四・西嶋投手の超スローボールの是非
- 2014/08/16
- 16:00
投球術なんだから全然OKでしょ、非難される言われがない。
投手は常に打者と真剣勝負しているのだからたまにはしない時があってもいい。
東海大四高(南北海道)の西嶋亮太投手の推定50キロ台の超スローボール(イーファス・ピッチ)が話題になっている。13日の九州国際大付属戦で、計4球、スピードガン掲示もされない“超ゆる球”を入れ込んで、古沢、清水というドラフト候補の擁する打線から12個の三振を奪って完投勝利。話題の魔球は、山なりの放物線を描くため、テレビの放送フレームからも一瞬消え、満員の甲子園スタンドを「おー」と沸かせた。
西嶋投手は身長168センチ、体重59キロと甲子園出場投手の中では、小柄な体格だが、ストレートとスライダーの配球に変化を加えようと昨秋から遊び感覚で、ブルペンで練習を始めた。西嶋が、その超スローボールのサインを強く要求するため、キャッチャーも熱意に負けて試合で使ってみたところ、相手打者を戸惑わせる効果があったという。
だが、某元アナウンサーが、ツイッターで「ダメとは言わないが、少なくとも投球術とは呼びたくない。意地でも。こういうことやっていると、世の中をなめた少年になって行きそうな気がする」と批判するなど、超スローボールの是非を巡って議論が起きている。
元プロ野球選手で高校野球監督に就任した第1号として瀬戸内高校で長らく監督を務めた後原(せどはら)富氏に意見を求めたが、逆に肯定的な意見。「相手チームの監督にすれば腹立たしいし、ふざけたピッチングに見えないこともない。確かに教育の実践の場としての高校野球で、“ああいうボール”を使うことが果たしていいのか悪いのかという議論はあるだろう。野球は、頭を使った化かし合いのスポーツ。個人的には大賛成」。瀬戸内高校監督時代に後原氏は、プロ時代に習ったセカンド、ショートに偽装の動きをさせるピックアッププレーを使い一、部メディアから「高校野球で、あるまじきプレー」という批判を受けたことがある。だが、ルールブックで禁止されていない頭を使ったプレーを非難されることの方がおかしい。しかも超スローボールの会得は簡単ではない。
後原氏も、瀬戸内高校監督時代に、投手に超スローボールの習得を薦めたことがあったという。「私も監督時代に、ストレートにスピードのないピッチャーを、(球速を)速く見せるために、ああいうスローボールをやらせたことがある。腕を振って、遅いボールを投げるというのは簡単なようで非常に難しい。投球術というより、メカニック的にかなりの高い技術が必要。もし会得できたならば、それは究極の緩急。スローボールを操れるようになれば、バッターの目線を上下に大きく動かすことができて、他のボールが生きる。高校野球界は、いい手法が出てくると、すぐに真似ていくのが主流だから、私は、東海大四の西嶋投手のようなスローボールが、これから他の学校でも流行するんじゃないかなと思って見ている」。
プロの選手でも現役で超スローボールを操るのは、日本ハムの多田野数人、横浜DeNAの三浦大輔くらい。しかも、そのほとんどが、ボールと判定される。西嶋投手の投じた4球もすべてボールと判定された。カウントを悪くしてしまうリスクのあるボールでもあるのだ。
元阪神のチーフスコアラーの三宅博さんに聞くと、「(超スローボールは)山なりなので、ストライクゾーンに構えたミットに納めるには、ボールゾーンから入ることになる。ストライクゾーンから入るとミットに納まるときはボールになる。審判からしてもストライクの取り辛いボール。しかも、投げる瞬間にそれとわからないような体の使い方とタイミングで投球に入らねばならないし、走者がいると使えないボールだ。よほどのコントロールがないと難しい。だからプロの世界でも投げられるピッチャーは限られていたが、打者の次のボールへ錯覚を起こすことができて崩すきっかけになるボール」という。
三宅さんの記憶にあるのも、古くは、阪神の権藤正利、若生智男、渡辺省三、横浜の斉藤明男、中日の小川健太郎くらいだという。
三宅さんは、現在、岡山商科大の野球部で特別コーチをしているが、名門高校で高速の打撃マシンを使って、鍛えられてきた打者の多くは、140キロ級のストレートなら、いとも簡単に弾き返す技術を身につけていて、そういう高校野球の打撃技術の向上が、逆に超スローボールを有効にさせているのでは、と見ている。
「強豪高校は、速いボールを練習の中で打つ訓練をしていてコンパクトなスイングはできる。緩急をつけなければ、145キロのストレートは通用しない。バッティングレベルが上がっているからこそ、スローボールが使えるなら有効なのかもしれない」。
勇気と高い技術に裏づけられた西嶋の超スローボール。2回戦は19日の山形中央戦。プロも操ることに苦労する魔球は、チームに2つめの勝利を呼び込むことができるのだろうか。
投手は常に打者と真剣勝負しているのだからたまにはしない時があってもいい。
東海大四高(南北海道)の西嶋亮太投手の推定50キロ台の超スローボール(イーファス・ピッチ)が話題になっている。13日の九州国際大付属戦で、計4球、スピードガン掲示もされない“超ゆる球”を入れ込んで、古沢、清水というドラフト候補の擁する打線から12個の三振を奪って完投勝利。話題の魔球は、山なりの放物線を描くため、テレビの放送フレームからも一瞬消え、満員の甲子園スタンドを「おー」と沸かせた。
西嶋投手は身長168センチ、体重59キロと甲子園出場投手の中では、小柄な体格だが、ストレートとスライダーの配球に変化を加えようと昨秋から遊び感覚で、ブルペンで練習を始めた。西嶋が、その超スローボールのサインを強く要求するため、キャッチャーも熱意に負けて試合で使ってみたところ、相手打者を戸惑わせる効果があったという。
だが、某元アナウンサーが、ツイッターで「ダメとは言わないが、少なくとも投球術とは呼びたくない。意地でも。こういうことやっていると、世の中をなめた少年になって行きそうな気がする」と批判するなど、超スローボールの是非を巡って議論が起きている。
元プロ野球選手で高校野球監督に就任した第1号として瀬戸内高校で長らく監督を務めた後原(せどはら)富氏に意見を求めたが、逆に肯定的な意見。「相手チームの監督にすれば腹立たしいし、ふざけたピッチングに見えないこともない。確かに教育の実践の場としての高校野球で、“ああいうボール”を使うことが果たしていいのか悪いのかという議論はあるだろう。野球は、頭を使った化かし合いのスポーツ。個人的には大賛成」。瀬戸内高校監督時代に後原氏は、プロ時代に習ったセカンド、ショートに偽装の動きをさせるピックアッププレーを使い一、部メディアから「高校野球で、あるまじきプレー」という批判を受けたことがある。だが、ルールブックで禁止されていない頭を使ったプレーを非難されることの方がおかしい。しかも超スローボールの会得は簡単ではない。
後原氏も、瀬戸内高校監督時代に、投手に超スローボールの習得を薦めたことがあったという。「私も監督時代に、ストレートにスピードのないピッチャーを、(球速を)速く見せるために、ああいうスローボールをやらせたことがある。腕を振って、遅いボールを投げるというのは簡単なようで非常に難しい。投球術というより、メカニック的にかなりの高い技術が必要。もし会得できたならば、それは究極の緩急。スローボールを操れるようになれば、バッターの目線を上下に大きく動かすことができて、他のボールが生きる。高校野球界は、いい手法が出てくると、すぐに真似ていくのが主流だから、私は、東海大四の西嶋投手のようなスローボールが、これから他の学校でも流行するんじゃないかなと思って見ている」。
プロの選手でも現役で超スローボールを操るのは、日本ハムの多田野数人、横浜DeNAの三浦大輔くらい。しかも、そのほとんどが、ボールと判定される。西嶋投手の投じた4球もすべてボールと判定された。カウントを悪くしてしまうリスクのあるボールでもあるのだ。
元阪神のチーフスコアラーの三宅博さんに聞くと、「(超スローボールは)山なりなので、ストライクゾーンに構えたミットに納めるには、ボールゾーンから入ることになる。ストライクゾーンから入るとミットに納まるときはボールになる。審判からしてもストライクの取り辛いボール。しかも、投げる瞬間にそれとわからないような体の使い方とタイミングで投球に入らねばならないし、走者がいると使えないボールだ。よほどのコントロールがないと難しい。だからプロの世界でも投げられるピッチャーは限られていたが、打者の次のボールへ錯覚を起こすことができて崩すきっかけになるボール」という。
三宅さんの記憶にあるのも、古くは、阪神の権藤正利、若生智男、渡辺省三、横浜の斉藤明男、中日の小川健太郎くらいだという。
三宅さんは、現在、岡山商科大の野球部で特別コーチをしているが、名門高校で高速の打撃マシンを使って、鍛えられてきた打者の多くは、140キロ級のストレートなら、いとも簡単に弾き返す技術を身につけていて、そういう高校野球の打撃技術の向上が、逆に超スローボールを有効にさせているのでは、と見ている。
「強豪高校は、速いボールを練習の中で打つ訓練をしていてコンパクトなスイングはできる。緩急をつけなければ、145キロのストレートは通用しない。バッティングレベルが上がっているからこそ、スローボールが使えるなら有効なのかもしれない」。
勇気と高い技術に裏づけられた西嶋の超スローボール。2回戦は19日の山形中央戦。プロも操ることに苦労する魔球は、チームに2つめの勝利を呼び込むことができるのだろうか。
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