以前からタンパク質の摂りすぎは腎機能を低下させる、と言われてきた。
実際にタンパク質を多く摂取するボディビルダーが腎機能障害になる事案も散見される。
だがしかし最新のエビデンスでは「高タンパク質な食事そのものでは
腎臓にダメージを与えるわけではない」とされたようだ。
まどろっこしい(まどろこしい)表現なのは理由があったりする。
要するに条件付きでのエビデンスだったりするわけだ。
その条件は
・もともと腎機能が低下傾向ではない(GFR=100程度)
・タンパク質の摂取食品に偏りがない
逆に言えば
・腎機能低下傾向である
・特定のたんぱく源の偏りが激しい
場合は腎機能低下につながるということ。
腎機能が低下するとネフロンという腎細胞の最小集合体がつぶれて機能しなくなる。
通常タンパク質は腎臓でろ過されないが、機能しなくなったネフロンでは
タンパク質を素通りさせてしまう。
その結果尿蛋白として検出されるのだが尿路へ移動したタンパク質は
膀胱から放出されるまでに腎臓細胞全体にダメージを与える。
その結果、より加速度的に腎機能低下をもたらす。
健康な腎臓であれば高タンパク質食事であってもタンパク質が流れ出ることはなく
腎機能低下をもたらすことはない、とのこと。
続いてはタンパク質の源となる食材について。
赤身肉や加工肉、動物性タンパク質を過剰かつ重点的に摂取している層は
腎機能へのダメージが有意にあるらしい。
加工肉と聞いて思いつくのは塩分、塩化ナトリウムだ。
塩化ナトリウム過剰により血圧上昇をもたらし、それは腎動脈にも波及する。
腎動脈の損傷は腎機能低下につながる。
植物性タンパク質(大豆など)、魚由来のタンパク質であれば腎機能低下が起きない模様。
とはいえ塩分の多い魚はよろしくはないだろう。
このページにたどり着いた人は恐らく既に「一定程度以上の腎機能障害がある」場合が
ほとんどだと思うので厳しいとは思うが低たんぱく食に慣れて欲しい。
透析導入になればタンパク質制限はなくなるが、それ以上に
時間的制約や食事制限が必要になる。
血清クレアチニン値が正常であることと、腎機能が正常であるとイコールではない場合がある。
潰れた腎細胞を他で補っているから数値上下がっていないだけで
実際の潰れ具合は腎生検で細胞摂取して見てみないと分からない。
血清クレアチニン値が異常を示す段階では既に腎機能は30%程度に低下している事実。
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